PURE PISTONS(THE OFFICIAL 1990 NBA WORLD CHAMPIONSHIP VIDEO)
チーム創設40年にして初優勝をとげた88-89シーズンのピストンズは、モーターシティーと呼ばれているデトロイト市民を熱狂させた。ヨーロッパや日本の自動車産業に押しまくられて沈滞気味だっただけに、普段のうっぷんを晴らさんとするかのようなお祭り騒ぎがあちこちで起き、まさに”マッドネス”状態だったのである。
しかし、ファイナルで対戦したロサンジェルス・レイカーズは、マジック・ジョンソン、バイロン・スコットをケガで欠きさらに”生きた伝説”といわれていたカリーム・アブドゥル=ジャバーの引退(最後の試合)もあって、フィニッシュの感激が今ひとつそがれた感があったことは否めなかった。
88-89シーズンのピストンズは前半のメンバーからリック・マホーンを失っただけで、知と力と経験のバスケットボールの完成を目指し、すっきりと感激にひたることを目指したのだ。
この年のセントラル・ディビジョンは希にみる激戦区で、7チーム中6チームが5割以上の勝率をあげ、マイケル・ジョーダンを中心としたヤング・シカゴがピストンズの後をヒタヒタと迫っていた。5年連続のスコアリング・リーダーのジョーダンも、今年こそと意気込みも高かっただけに、イースタン・カンファレンス・ファイナルは全米の注目を浴び、いやが上にも盛り上がった。
デトロイトはファースト・ラウンドのインディアナを3-0、セミファイナルのニューヨークを4-1で下し、決勝へと駒を進めた。
シカゴはミルウォーキーを3-1、フィラデルフィアも4-1で下して大方の予想通りいよいよファイナルへと突入した。ファイナルの対戦方式は勝率の高いチームにホームコート・アドバンテージが与えられ、2-2-1-1-1のフォーマットとなる。それぞれ手堅く地元での勝利を収め、第7戦までもつれ込んだが、最後はデトロイトの当たりの強いディフェンスがシカゴのオフェンスをしのぎ、”バッドボーイズ”の健在を印象づけた。前年からのピストンズの3ガード・ローテーション(トーマス、ジョンソン、デューマス)は'80年代後半の人気スタイルになったことも記憶に新しい。
ファイナルのポートランド戦は1勝を与えたのみでピストンズが一蹴。
本当の意味での”ピュア・ピストンズ”のシーズンをおくったといえよう。