
bjリーグ初のトライアウト <東京会場-2月12日 小田原アリーナ>〔2005.2.20〕
今年11月の開幕に向け、bjリーグが遂に動き出した。
”企業バスケプレイヤー”ではなく”プロバスケプレイヤー”を目指し、今回のトライアウトを受けるべくエントリーをしたのは627名。東京会場となる小田原アリーナには、16歳の最年少選手から最年長は36歳となる356人のプレイヤーが集まった。このトライアウトでは、1次チェックで「356人→120人」に、2次チェックで「120名→60名程度」に選考され、残った約60名のプレイヤーは、合同トライアウト二次選考に進むこととなる。
- まずは体力とアピール力を試されるスキルチェック(365名→120名)
午前中は3つのグループに分かれ、1次チェックとなるスキルチェックが行われた。このスキルチェックでは5つの項目をすべての選手が行い、2次チェックとなる午後の部に進む120名へと絞り込まれた。下記のメニュー順で行われたスキルチェックであるが、最後に行われたシャトルランでは、定期的に体を動かしている選手と、そうでない選手の体力の格差が明らかに現れた1次審査となった。
- ハスキーステップ
(小刻みにステップをしながら、係員が上下左右とランダムに指差す方向に反応して動く) - ボードタッチ
(バックボードの下でスタンディングで10回ジャンプした後、ハーフコートまでダッシュし、バックボードをめがけてランニングジャンプ) - パス&シュート
(オールコートのパス→シュート→ドリブル→シュート) - 1on1
(オフェンス1人に決められた時間が与えられ、ディフェンスは各プレイごとでローテーションし、スイッチする1on1) - シャトルラン
(30秒+インターバル15秒を5セット 各フリースローライン・ハーフコートで折り返すダッシュ)
- ハスキーステップ
- 2次審査は、ゲーム形式での審査 (120名→62名)
今回の1次審査が終了すると各コートで担当をしていた、仙台89ersの中村氏、新潟アルビレックスの廣瀬氏や、さいたまブロンコスの三木氏などはすぐさま2次審査に進むプレイヤーを決めるべく、関係者本部に集まり早急に各担当の集計結果を取りまとめた。全員を一同に集めての1次審査の通過者の発表が行われ、名前を呼ばれた通過者は、3つのグループに分けられ各個人に番号付きのジャージを受け取った。
午前の部終了時に、河内コミッショナーは「これだけ多くの応募者が今日のトライアウトに集まったことで、自分の行ってきたことが間違ってなかった」「荒削りなプレイヤーが多かったが、1・2年基礎を学べば伸びるプレイヤーが何人か目に付いた」と興奮気味に話せば、代表の木村氏は「個人のアピールをもっとしてほしかった。技術を披露しているだけでは。私達がやろうとしているのはプロですから。プロ意識を持て!! と言ってやりたいです。」と厳しく午前の部の内容を振り返った。
午後の部前半は、1セット1分半で20分の【ハーフコートの3on2】と、1セット3分でこれも20分間の【ハーフコートの5on5】が行われた。ようやくバスケットができることで参加者の集中力は午前の部より増しており、チーム分けされたメンバー同士でコミュニケーションを取り合っていた。そして前半の最後は、1セット5分で約1時間ほどの【オールコートの5on5】では、チームとして少しずつまとまりが出てきたところで、前半は終了した。 - トライアウトの最後は、5on5のスクリメージ(62名→約40名)
午後の部前半と同じ様に、1セット5分の【オールコートの5on5】が行われた。このスクリメージでは、レフリーとしてNBAを目指しているゴンゾーこと、大河原則人氏がスクリメージに参加。なるべくプレイヤーの自由にさせると言っていた通り、必要以上の笛を吹かず、ゲームを裁いていた。
東京会場のトライアウトで最後まで残った62名と、翌日の関西会場で最終まで残った30名の計92名から選考会議を経て、5月の第2次トライアウトへ進む50名(予定)が決定し、5月の二次選考会に進むことができる。
そして合同トライアウト二次選考では、今回の通過者50名とbjリーグおよび所属6チームによって推薦された選手(実業団チーム所属選手中心)が参加し選考会が行われ、その後の6月開催予定のドラフト会議で各チームがプレイヤーを指名し、11月のbjリーグ開幕に望む。 - インタビュー トライアウトの為に帰国した江口勝彦
今年の1月末にNBAの取材の為に全米を周遊取材していたのだが、最終到着地であったニューヨークではNBAの取材だけでなく、オンタリオ・ウォリアーズと同様にニューヨーク・ストロングドッグスの取材も予定していた。だが到着翌日には1日で20cm以上の積雪となる大雪に見舞われ、Awayチームがニューヨークにくることができなかった為、取材することはできなかった。
だが、ストロングドッグス関係者とその時ストロングドッグスで練習生と参加していた江口氏と話をする機会があった。
彼もまたNBAを目指すプレイヤーの一人、191cmの長身ながらもポジションはガード。バスケットの技術はもちろんのことであるが、何より素晴らしいのは自分のビジョンを持っている事である。日々の目標を立て、その目標を達成したいという強い気持ちと決して折れない精神力の持ち主である。その江口氏はトライアウトの1週間前に帰国しており、bjリーグ入りを果たすべくトライアウトに参加していたのだった。トライアウトでは長身ということもあり、チーム分けされたときはビッグマンとしてインサイドプレイをせざる終えない状況であったが最後まで残り、随所でガードとしての本来の姿を垣間見せた。
Q:ABAなどで数々のトライアウト経験があるが、bjリーグのトライアウトについてどう思ったか?
江口氏:まず、とても多くの参加者が来ている事にとても驚いた。身体能力とかで比べると外国人プレイヤーには劣ってしまうが、とてもハングリーなプレイヤーが集まっていたので楽しかった。
Q:1次審査のスキルチェックについて
江口氏:1次のスキルチェック問題なくパスできると思った。
Q:午後のゲーム形式では、実力は出せたか!?
江口氏:まだまだ本来の実力を出すことはできなかった。ガードとして申請を出していたが、チーム分けされた時は一番大きいプレイヤーだったので、インサイドでプレイすることが多くなったが、最低限のプレイはできたと思う。
Q:トライアウト1次選考合格→2次選考への自信は!?
江口氏:最低限のことはできたので、あとは発表を待つだけです。
(江口勝彦氏のHP URL:http://www.h2.dion.ne.jp/~katsuegu/index.html) - トライアウトとプロ意識
これほどの大きいバスケットのトライアウトはもちろん日本初であり、ほとんどの参加者は初めてのトライアウト参加であったと思う。個人的にはトライアウトというのは本来は下記のようなものだと思っている。
・参加者すべては仲間ではなく敵
・隣にいる参加者よりいいパフォーマンスを魅せることができれば自分が合格する
・他の参加者を蹴落としてでも自分が合格する気持ちが必要である
・プロバスケットプレイヤーとしてバスケをしたい!! 気持ちがある
しかし今回のトライアウトでは、多くのプレイヤーに”何としてでもプロになりたい!!”といったものが欠けていたと思う。午後のゲーム形式の審査では、せっかくボールが回ってきても攻めることよりチームプレイを優先してパスをしてしまいアピールの機会を失っているように思えた。トライアウトではチームメイトも敵であり、まず自分をアピールすることを最優先に考えてプレイするべきではないのか!? これだけの多くの参加者がいるのだから、なかなか審査員に見てもらえない事もある。だからこそもっと自身を最大限にアピールすることを考えてほしかった。ディフェンスの場合でも相手に点数を入れられれば、相手の評価が上がる。ならファウルしてでも止めるべきではないのだろうか!? たとえファウルを吹かれたとしても、ハングリーなディフェンダーとして審査員の目に留ったのではないのだろうか!?
午前中のスキルチェックで相当の個人技と自分のプレイを確立していた参加者がいて、確実に最終まで残ると思っていたプレイヤーも午後の部後半に参加することなくカットされていたが、代表の木村氏の「プロ意識を持ってほしい」の言葉通り、その技術をアピールする表現力に乏しかったに違いない。バスケットのレベルの向上と、エンターテイメントバスケットボールとしても確立を目指すbjリーグでは、バスケットの技術に加え自身をアピールするこののできる表現力も持ち備えていないと生き残っていけないだろう。
【我がフープヒステリアのメンバーである、吉岡君と若尾君も今回のトライアウトに参加した。1次審査落ちと残念な結果であったが、とても多くの事を学んだようだ。二人のインタビュー内容については追ってアップいたします!!】
(So 鴨志田)
So 鴨志田(そう・かもしだ)PROFILE
1975年東京にて生まれる。
NBAを観戦し17年。スカイパーフェクトTV「NBAリーグパス」において日本語解説を努め、それがきっかけとなりジャーナリストとして活動を開始。下記においてライターとして活動。
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・ ベースボールマガジン社の「NBA新世紀」(http://www.bbm-japan.com/)
・ ヘッドライン社「TOKYO HEADLINE(フリーペーパー)」(http://hlt.jp/)
・ 日本スポーツ企画出版社「DUNK SHOOT」(http://www.dunkshootnet.com/)
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